伝羽柴秀吉邸跡 上段


標識の図


標識の図

 標識の解説文  伝羽柴秀吉邸主殿

安土城が築かれた頃の武家住宅において、接客や主人のために使われていた中心的建物を主殿といいます.
この屋敷では主殿の手前に式台・遠侍、奥に内台所が接続して複雑な構成になっています。主殿入口は、建物東部に設けられた玄関です。
「玄関」を入ると「式台」の間があり、ここで来客は送迎の挨拶を受けます。その背後には、武士が控える「遠侍」の間が置かれています。
式台を左に進むと主殿に出ます。畳を敷いた幅
1間の廊下の西は、2間続きの座敷になっています。西奥の部屋が床・棚を背に主人あるいは上客が着座する「上段の問」です。
上段の間南には主人が執務を行う「付書院」が付属しています。南側の「広縁」は吹き放しで、その東端に「中門」が突出しています。
広縁の途中にある「車寄」はもっとも大事な客−例えば秀吉邸を訪れた信長が直接上段の間に入るための入口で上には立派な軒唐破風が架けられています。主殿のさらに奥には、
簡単な配膳を行う「内台所」や「遠侍」が接続しています。
皆様も往時の姿を思い浮かべながら、秀吉の来客になったつもりで、整備された礎石の間を歩いてみてはいかがでしょうか。